試験場で,わかりやすい施工経験記述を書きましょう!
研修プログラム6 (わかりやすい施工経験記述を書く)に関するポイントを以下の項目に基づき説明します。
2)わかりやすい施工経験記述の書き方の手順(設問2)
3)具体的に書く(設問1・設問2)
4)実践:施工内容のポイントを骨子表に書き出す(手順1)
5)添削の実施
施工経験記述の試験で,合格点が取れる人と取れない人の違いは,試験官に,自分が担当した工事の施工内容を“明確に”伝えられるかどうかの違いです。明確に伝えることで,試験官から「なるほど,このような品質管理をしたのか」,「なるほど,このような工程管理をしたのか」などと評価してもらえます。このような評価が得られれば,施工経験記述の試験で合格点が取れます。
以下の文を読んでください。
Ⅰ:○○によって,工程を大幅に短縮できた。
Ⅱ:○○によって,工程を15日間短縮できた。
Ⅰが「内容を伝える」です。Ⅱが「内容を明確に伝える」です。
Ⅱの文のように,施工内容が明確に伝わるように書くことで合格点が取れます。「施工内容が明確に伝わるように書くこと」を言い換えれば,「施工内容が読み手の頭の中に浮かんでくるように書くこと」です。
受験生の方々は,施工上の課題を克服して自分が担当した工事を無事に完了させたと思います。試験官に,その課題や検討したことなどが明確に伝わるように施工経験記述を書けば合格点が取れます。
わかりやすい施工経験記述とは,試験官に,自分が担当した工事の施工内容が明確に伝わる施工経験記述のことです。
わかりやすい施工経験記述の書き方の手順(設問2)を以下に示します。
手順1:施工内容のポイントを骨子表に書き出す。
手順2:骨子表の内容を「答案の書き方のパターン」に書き出す。
手順1は,受験生の頭の中を整理することを目的としています。
わかりやすい施工経験記述を書く場合には,まず,頭の中を整理してください。答案用紙に施工内容をいきなり書き出す前に,「わかりやすい施工経験記述を書くための骨子表(こちら)」に施工内容のポイントを書き出すことで頭の中が整理できます。
施工経験記述を書くとき受験生の頭の中は,「あれも書こう」,「これも書こう」,「あれも書かなきゃ」,「これも書かなきゃ」・・・のような状態になっています。このように頭の中が混乱した状態(頭の中が未整理の状態)で施工経験記述を書くと,書いている内容がねじれたり,重要なことを書き忘れたりする可能性があります。
手順2は,骨子表の内容に基づき,わかりやすい施工経験記述を完成させることです。このとき,利用するのが「答案の書き方のパターン(こちら)」です。答案の書き方のパターンを決めておけば,わかりやすい施工経験記述が書きやすくなります。
わかりやすい施工経験記述を書くうえで最も重要なことは,施工内容を具体的に書くことです。
施工内容を具体的に書くことは,試験官に施工内容が明確に伝わるように書くうえでも重要です。
具体的に書く理由は,書き手と読み手は違うからです。書き手(受験生)は施工内容を知っている人,読み手(試験官)は施工内容を知らない人です。試験官は,受験生が担当した施工内容を受験生が書いた答案から理解します。逆に言えば,受験生が行なった施工内容を理解する唯一の方法は答案を読むことです。
例えば,「合格と不合格の境界」の中で紹介した文で考えると,「○○によって,工程を大幅に短縮できた」の文を受験生(書き手)が読めば,受験生の頭の中に「工程を15日間短縮できた」と浮かんできます。自分が担当した工事なので当然これがわかります。受験生は施工内容を知っている人だからです。
しかし,試験官(読み手)は,具体的な短縮日数が頭の中に浮かんできません。試験官は,自分が担当した工事ではないので短縮日数がわかりません。試験官は施工内容を知らない人だからです。自分が試験官になったことを考えれば,これがわかると思います。
書き手と読み手の違いを理解できれば,施工内容を具体的に書くことの重要性が理解できると思います。
研修プログラム6では,わかりやすい施工経験記述の書き方の解説を聞いていただいた後,実践として手順1を行っていただきます。
すなわち,施工内容のポイントを骨子表に書き出していただきます。わかりやすい施工経験記述を書くうえで,手順1は重要な作業だからです。研修の時間内で手順1が終わらなくても,書き出し方のポイントが把握できれば,後日残りの作業ができます。
なお,手順2(骨子表の内容を「答案の書き方のパターン」に書き出す)は,後日,各自で行っていただきます。
ご要望があれば,施工経験記述を添削します。「試験官に施工内容が明確に伝わるか?」という視点での添削です。添削をご要望される場合には,弊社までご相談ください。なお,添削は有料です。