「わかりやすい」が「わかりにくい」

今回のブログは,「わかりやすい技術文書の書き方」から「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」への名称変更についての内容です。

 

■わかりやすい技術文書の書き方
弊社が講師を務める社員研修やセミナーのテーマは「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」です。「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」を解説する内容だからです。

 

しかし,当初,社員研修やセミナーのテーマは「わかりやすい技術文書の書き方」でした。実際,技術文書の書き方に関する書籍を初めて上梓したときの書名は「技術者のためのわかりやすい文書の書き方」です。

 

文章の書き方などでは「わかりやすい」という言葉を使うことが多いです。ネットで,「わかりやすい文章の書き方」と検索すると多くのウェブサイトが出てきます。

 

■名称を変更した理由
「わかりやすい技術文書の書き方」から「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」に名称を変更した理由は,「わかりやすい」という言葉の意味が「わかりにくい」と判断したからです。「わかりやすい」という言葉の意味には曖昧さがあります。「わかりやすい」と一言で言っても「何を以ってわかりやすいと考えるのか」がわかりにくいです。

 

これに対して,「内容が明確に伝わる」の方がこの言葉の意味がはっきりしています。例えば,「内容が明確に伝わる業務報告書の書き方」と聞けば,「業務報告書の内容を明確に伝えるための書き方」ということがすぐにわかります。

 

また,技術者の仕事は,仕事の内容上「曖昧さ」は許されません。例えば,何かを決めたらその決定根拠を書く必要があります。決めたこととその決定根拠は「ペア」だからです。一例を挙げるならば,解析結果を評価したらその解析条件を書く必要があります。これらはペアだからです。つまり,解析条件があって解析結果があるからです。

 

このような理由から,「わかりやすい技術文書の書き方」から「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」に名称を変更し,社員研修やセミナーではこの名称に対応した内容を解説しています。

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