今回のブログは,2026年度の受験を考えている方の中で「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」を学んだ方に向けた内容です。
受験生の中で,「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」を学んだ方は,日常業務の中で,「書き方1:要点を冒頭に書く」を意識して使ってください。以下の2点がその理由です。
■「1分で理解できる解答の書き方」を使って解答を書くことに慣れるため
「1分で理解できる解答の書き方」とは,以下の2つの要件を満たすものです。
①「解答の要点」と「解答の要点に関する説明(=要点の説明)」が書いてある解答
②解答の要点が解答の冒頭に書いてあり,要点の説明がその後に書いてある解答
つまり,「1分で理解できる解答の書き方」とは「書き方1:要点を冒頭に書く」に基づく書き方です。したがって,日常業務の中で,「書き方1:要点を冒頭に書く」を意識して使うことで「1分で理解できる解答の書き方」を使って解答を書くことに慣れます。
■頭の中を整理するトレーニングのため
日常業務の中で,「書き方1:要点を冒頭に書く」を使って文章を書いたり会話をしたりすること注1)で頭の中を整理するトレーニングができます。
文章や言葉で読み手(聞き手)に何かを伝えるときにはその内容の要点が必ずあります。例えば,以下のようなことです。
街頭で,以下のような内容のインタビューを受けたとします。
Q:「今,消費税減税が議論になっています。消費税減税に賛成ですか? 反対ですか? あなたの意見をお聞かせください」
この質問に対する回答をインタビュアーに伝える場合,回答の要点とは「消費税減税に賛成か反対か」ということです。
質問を受けたとき,頭の中で「消費税減税に対して賛成か反対か」をすぐに考え,例えば,賛成だったらインタビュアーに「賛成です」とまず回答します。次に「賛成」と考えた理由(回答の要点の説明)を説明します。このような方法で回答することでインタビュアーに自分の意見が明確に伝わります。
これは会話を対象にした場合ですが,文章を書く場合にも同じ考え方で書くことで伝える内容が読み手に明確に伝わります。つまり,「内容の要点→要点の説明」の順で書くことです。
「伝えることの要点をまず考える,次に,要点の説明を考える」という思考の流れにすることで頭の中が整理できます。つまり,この思考の流れが頭の中を整理するトレーニングになります。内容の要点と要点の説明を一緒に考えると伝えることが頭の中で明確になりません。
「伝えることの要点をまず考える,次に,要点の説明を考える」という思考の流れに慣れてくると,「1分で理解できる解答の書き方」の考え方を使って円滑に解答を書くことができます。
注1):「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方を使って会話をすることについては,「マンガでわかる技術文書の書き方」の中の「会話を通したトレーニング(P238~)」を参照してください。
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