今回のブログは,「頭の中の整理方法」の内容です。具体的には,「『~なので・・・である』という考え方から『・・・である~だから』という考え方へ」という内容です。
■頭の中が整理できる
2025年9月29日に掲載した「技術士二次試験対策:受験生の中で『内容が明確に伝わる技術文書の書き方』を学んだ方へ」というブログの中で以下のことを書きました。
「伝えることの要点をまず考える,次に,要点の説明を考える」という思考の流れにすることで頭の中が整理できます。つまり,この思考の流れが頭の中を整理するトレーニングになります。要点と要点の説明を一緒に考えると伝えることが頭の中で明確になりません。
この内容は,「『~なので・・・である』という考え方から『・・・である~だから』と考えることで頭の中が整理できる」ということです。これは,「伝える内容の要点と要点の説明を一緒に考える」のか「これらを分けて考えるのか」の違いです。
■具体的な例
このブログの中で街頭インタビューについての例を挙げました。
Q:「今,消費税減税が議論になっています。消費税減税に賛成ですか? 反対ですか? あなたの意見をお聞かせください」
頭の中の整理方法について,この質問に対する回答を対象にしてパターンⅠとパターンⅡの比較で考えます。ここで,パターンⅠとは「~なので・・・である」という考え方,パターンⅡとは「・・・である~だから」という考え方です。
◆パターンⅠ:「~なので・・・である」
少子高齢化が加速している我が国において消費税は社会保障に対する重要な財源です。消費税減税に伴うこの財源の喪失による社会保障の維持が困難となる問題,また,減税の恩恵が低所得者よりも高所得者に偏りやすい「逆進性」の問題もあるので消費税減税に反対です。
◆パターンⅡ:「・・・である~だから」
消費税減税に反対です。少子高齢化が加速している我が国において消費税は社会保障に対する重要な財源です。消費税減税に伴うこの財源の喪失による社会保障の維持が困難となる問題,また,減税の恩恵が低所得者よりも高所得者に偏りやすい「逆進性」も問題もあるからです。
パターンⅠは,回答の要点(消費税減税に反対)と要点の説明を一緒に考えているので回答がぼんやりしています。頭の中が整理できていないので「~なので・・・である」の考え方で回答します。
パターンⅡは,回答の要点と要点の説明を分けて考えているので回答がはっきりしています。頭の中が整理できているので「・・・である~だから」の考え方で回答できます。
「・・・である~だから」のように考えることで頭の中が整理できます。「消費税減税に反対」のように回答の要点をまず考えることで回答の軸ができるからです。回答の軸が決まれば要点の説明(回答の要点を支える内容)を考えるだけです。このように考えることで頭の中が整理できます。
頭の中の整理方法とは,伝えること(内容)の要点と要点の説明を分けて考えることです。つまり,「・・・である(内容の要点)~だから(要点の説明)」のように考えることです。このように,これらを分けて考えることが頭の中の整理につながります。
■「書き方1:要点を冒頭に書く」を意識して使う
文章を書くときに「書き方1:要点を冒頭に書く」を意識して使うことで「・・・である(内容の要点)~だから(要点の説明)」という頭の中の整理方法が自然に身に付きます。また,会話をするときにも「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方を意識して使うことでこの整理方法が自然に身に付きます注1)。この頭の中の整理方法は,仕事を進めるうえで必ず役立つ方法です。
注1):「技術士二次試験対策:受験生の中で『内容が明確に伝わる技術文書の書き方』を学んだ方へ」というブログを参照のこと
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