これまでに読んだ本から(35冊目):【コミュニケーション技術】

今回は,「コミュニケーション技術」を紹介します。

「コミュニケーション技術 実用的文章の書き方:篠田義明:中公新書」

この本の冒頭部分で,ミシガン大学工学部における作文術指導の授業内容を紹介したうえで,以下のことを書いています。


これほど丹念に作文技術を指導している学校が日本にあるだろうか。日本人の心には,日本は単一農耕民族社会だったという感覚が付きまとい,「とにかく書きなさい。書けば相手が読んでくれるのです。以心伝心という言葉があるでしょう」という自己中心的な発想があるから,書く練習も,話す練習もないがしろにしているのであろう。


この本の中で紹介されているミシガン大学工学部での作文術指導は驚くぐらい綿密な指導内容です。ミシガン大学工学部での作文術指導と同じレベルで作文術指導をしている日本の理工系大学はないと思います。

ちょっと待ってください・・・。

日本の理工系大学で作文術指導の時間(カリキュラム)を設けているところはあるのでしょうか? 私が通っていた理工系大学には作文術指導の時間はありませんでしたが・・・。

先ほど紹介した本からの引用の中で強調したい箇所があります。

“書けば相手が読んでくれるのです。以心伝心という言葉があるでしょう”

多くの方は,このような考えを持って文書を書いているのではないでしょうか。

つまり,多くの方は,「書けば相手(読み手)が読んでくれ,内容も相手(読み手)に伝わっているだろう(内容を理解しているだろう)」という考えを持って文書を書いているのではないでしょうか。

ところが,「内容も読み手(相手)に伝わっているだろう(内容を理解しているだろう)」ということが不成立になっていることがあります。不成立とは,「読み手に文書の内容が“明確”に伝わらない」という状態です。

“自己中心的な発想”を捨てることで,わかりやすい文書を書くことができます。

この,“自己中心的な発想”を捨てることは,わかりやすい文書の書き方の3原則,第1原則:書き手と読み手の違いを認識するこちらと同じ内容です。

今回の「これまでに読んだ本から」では,本の具体的な内容の紹介ではなく本に書かれている内容に関する弊社の考えを書きました。

「コミュニケーション技術」は,わかりやすい文やわかりやすい文章を書くために参考となる内容がいろいろと書かれています。参考として「コミュニケーション技術」の目次を以下に書きます。

第一章:伝達技術の必要性
第二章:単語の選択
第三章:文に不可欠な要素
第四章:パラグラフのまとめ方
第五章:パラグラフの展開法
第六章:パラグラフのつなぎ方

特に,“パラグラフ”について学びたい方には「第四章~第五章」が参考になります。

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