技術士第二次試験対策:“業務内容の詳細”と“記述内容のねじれ”について

「業務内容の詳細」とは,技術士を受験する際に提出する業務経歴票の中に書くものです。

 

具体的には,「業務内容の詳細」として,過去に実施した業務を一つ選び,その内容を720文字以内でまとめます(図表は不可)。業務内容の詳細には,選んだ業務の概要,選んだ業務に対する立場・役割,課題,提案(解決策),成果などを書きます。

 

昨年と今年(現在まで)で計6名の方の「業務内容の詳細」を添削しました。

 

添削していて,気になったことがあります。6名のうち4名の方で,記述内容に対してねじれ(記述内容の不統一)があったことです。

 

ちなみに,全員の方に対して指摘したことは,「内容が明確に伝わる文を書くこと」です。具体的な文を書くこと,意味が明確な文を書くこと,短い文を書くことを指摘しました。

 

記述内容のねじれの話に戻ります。記述内容のねじれとは,「課題・提案・成果」の内容がバラバラになっているということです。

わかりやすい例でこれを説明します。例えば,成果に,「コストを低減できた注)と書かれていたとします。この場合,当然,課題や提案の中に,「コストを削減するための施工法の立案が課題であった」,「コストを削減するために〇〇を提案した」のような記述があるはずです。しかし,記述内容がねじれている場合には,課題や提案の中にこれらの記述がなく,突然,成果のところで「コストが低減できた」という内容が出てきます。

 

これは読んでいて戸惑います。「エッ?何でいきなりコストの話が出てくるの?」という感じです。このように書かれた業務内容の詳細を提出したら,試験官も頭の中が「?」になると思います。

 

なぜ,このようなことが起こるのか? それは,課題・提案・成果の内容をバラバラに考えているからだと思います。つまり,「課題は何だっけ?」,「提案は何だっけ?」,「成果は何だっけ?」とバラバラに考えているからだと思います。

 

では,これを防ぐためにはどうしたらよいか。まず,課題を明確にすることです。課題を明確にしたら,それを軸にして提案・成果を考えればよいです。課題があるから,提案や成果があります。

 

業務経歴票を提出することから,技術士の試験がスタートしています。「業務内容の詳細」には,試験官が「なるほど,なるほど」と言って読める内容を書いてください。「エッ? 何で,このような内容がいきなり出てくるの?」と言われないように書いてください。

注):「コストを低減できた」は不適切な文です。この書き方では,試験官に内容が明確に伝わりません。

 

2016年4月9日(土)に実施する講習会では,記述内容がねじれないように書くための演習(業務内容の詳細を書くための事前準備)を行います。

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