天災は忘れた頃来る

日経コンストラクション・2019年3月11日号の特集は,「『想定外』を迎え撃て」でした。
*日経コンストラクションについてはこちら

JTAPCOブログでも,日経コンストラクションの記事に関連したブログを何度か掲載しました(例えば,こちら)。

2019年3月11日号の特集の中で,南海トラフ地震に関することが出ていました。この記事を読んで,改めて,南海トラフ地震が発生したときの被害の大きさを認識しました。記事の中で書かれていたことの抜粋を以下に示します。


■今後30年間に南海トラフ地震が発生する確率は“70%~80%”(政府の地震調査委員会:2018年1月)

■主な被害想定(複数の検討ケースから被害が最も大きいケースの数値を抜粋):注( )内は東日本大震災での数値
*死亡者数:32万3,000人(2万2,233人:行方不明者を含む)
*建物の全壊:238万6,000棟(12万1,783棟:住宅のみ)
*災害廃棄物:3億1,000万t(2,200万t:汚染土を含まない)
*道路被害:4万1,000ヶ所(3,559ヶ所)
*鉄道被害:1万9,000ヶ所(5,600ヶ所)
*断水:3,440万人(229万棟:上水道)
*停電:2,710万棟(850万棟)
*通信被害:930万回線(100万棟)

■静岡県の被害:死亡者数=10万9,000千人
*東日本大震災での死亡者数は2万2,233人(行方不明者を含む)です。

■高知県での津波の高さ・到達時間:最大34m/最短3分
*東日本大震災での最大津波高さは16.7mです。

■建物の損壊と道路などのインフラ構造物の被害を合わせた直接被害額は170兆円を上回る。
*東日本大震災での直接被害額は16兆9,000億円です(建物やインフラ施設の損傷など。それに伴う経済被害は含まない)。


被害は東日本大震災の10倍以上です。

先日のニュースで,2019年度の国家予算が100兆円を超えたと伝えていましたが,直接被害額(170兆円)は2019年度の国家予算(約101兆5千億円)を上回るものです。

南海トラフ地震が発生したら国難をもたらす大災害が発生します。

被害想定を書いていて「本当か?」と思いました。しかも,今後30年間にこのような大災害が発生する確率が“70%~80%”ということなのでさらに「本当か?」と思いました。

南海トラフ地震の他にも,首都直下地震の発生も懸念されています。今後30年以内に首都直下地震の発生する確率が70%だそうです。

埼玉県所沢市にある弊社でも,東日本での大地震発生時にはかなり揺れ,本棚から本が数冊落下しました。窓から外を見ると電柱が大きく揺れていました。一瞬,「首都直下地震か?」と思いました。

東日本での大地震が発生した2011年3月11日以来,所沢市ではこのときのような大きな震度の地震は発生していません。東日本大震災発生直後は地震に対する準備をしていましたが今ではそのときの緊張感はありません。

首都直下地震が発生すれば所沢市でも大災害が発生するそうです。

日経コンストラクションの記事を読んでいて寺田寅彦の有名な言葉を思い出しました。

“天災は忘れた頃来る”

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