受験勉強には,インプットの受験勉強とアウトプットの受験勉強があります。インプットの受験勉強とは,教材や資料を読んで受験部門や選択科目に関する技術や知識を頭の中にインプットすること(理解すること・覚えること)です。アウトプットの受験勉強とは,インプットの受験勉強で頭の中にインプットした技術や知識に基づき解答を考えこれらを答案用紙に書くための勉強です。
「“1分で理解できる解答”の書き方」のポイントは,「解答の要点と解答の要点の説明を考え,これらに基づき解答を書くこと」です。試験で合格点を取るためには,「解答の要点と解答の要点の説明を考え,これらに基づき解答を書くこと」の完成度を高める必要があります。
インプットの段階からアウトプットのことを考えて勉強することで「解答の要点と解答の要点の説明を考え,これらに基づき解答を書くこと」の完成度を高めることができます。
つまり,これは,内容の要点と要点の説明を考えて技術や知識を頭の中にインプットすることです。「内容の要点=解答の要点」,「内容の要点の説明=解答の要点の説明」だからです。
具体的な例でこれを解説します。DXの勉強をすることを考えます。
あるウェブサイトで以下のようなことが書いてありました。
DX推進の課題として,「DX推進に関わる人材不足」を挙げる企業が9割ある。
これを読んだとき,「DX推進の課題はDX推進に関わる人材不足」のようにインプットするのではなく,「DX推進の課題の要点=DX推進に関わる人材不足」とインプットします。
また,別のウェブサイトでは,DX推進に関わる人材不足の理由として以下のことが書いてありました。
DX推進に関わる人材不足として「労働人口が減少している」,「DXに必要な人材需要の伸びに供給が追い付かない」,「非IT企業にIT人材が少なく育成も怠ってきた」などの理由がある。
これを読んだとき,「DX推進に関わる人材不足にこのような理由があるのか」のようにインプットするのではなく次のようにインプットします。
「DX推進の課題の要点=DX推進に関わる人材不足」だから,「DX推進に関わる人材不足に関する説明(課題の要点の説明)=『人材不足の理由として〈労働人口が減少している〉,〈DXに必要な人材需要の伸びに供給が追い付かない〉,〈非IT企業にIT人材が少なく育成も怠ってきた〉』のようなことがある」とインプットします。
「1分で理解できる解答」を書くうえでのポイントを踏まえたうえで学んだことをインプットすることで,例えば,DX推進の課題についての問題が出たとき,インプットした「DXの課題の要点」と「DXの課題の要点に関する説明」をすぐに取り出すことができます。
次回に続きます。
【参考図書】
森谷仁著,「マンガでわかる技術文書の書き方」,オーム社,令和4年3月25日