相手の立場に立って考える

調査や設計などの業務を国から受注する場合,技術提案書を提出することがあります。特に,技術力が要求される業務が対象です。

以前,建設コンサルタントに勤務されている方(仮にAさんと呼びます)とこの技術提案書について話をしました。

*建設コンサルタントについての説明はこちらを参照してください。

Aさんが次のようなことを話してくれました。


「森谷さん,技術提案書を書く場合のポイントの1つは,発注者の考えを読み取ることです。発注者も技術に関して困っているので我々(建設コンサルタント)に技術提案書を提出させるのです。だから,発注者が何に困っているのか,すなわち,『発注者が,技術提案書をなぜ我々に提出させるのか?』を読み取ることが技術提案書を書く場合には重要です。これを読み違えると技術提案書は採用されないと思います」


Aさんが言いたかったことを言い換えると,「発注者の立場に立って提案すべきことを考える」になると思います。

Aさんと話をした時点では,Aさんが作成する技術提案書が採用される(すなわち,業務を受注できる)確立は高かったそうです。だから,Aさんの話には説得力がありました。

「発注者は何に困っているのだろう?」と考えると提案すべきことが見えてくるのだと思います。

「発注者」を「読み手」に置き換えても同じことが言えます。

わかりやすい文書を書くうえで最も重要なことは,「書き手と読み手の違いを認識すること」です。これは,「読み手のことを考えて文書を書くこと」,すなわち,み手の立場に立って文書を書くこと」です。

つまり,「発注者の立場に立って考える」=「読み手の立場に立って書く」です。

読み手の立場に立って文書(文章や文を含む)を書くことを考えると,「文書をどのように書いたらよいか?」の答えが見えてきます。

書き手の立場では以下のような文を書くかもしれません。

*設計の見直しで建設費が大幅に削減できた。

しかし,読み手の立場に立てば以下のような文を書きます。

*設計の見直しで建設費が約2億円削減できた。

「発注者・読み手」に共通することは,自分からみた「相手」のことです。また,商売をするときの「お客様」も相手です。

相手(発注者・読み手・お客様)の立場に立って考えると,自分の立場で考えたことと違ったことが見えてきます。

仕事をするとき,文書を書くときに「相手の立場に立って考えること」は非常に重要です。

ちなみに,「相手の立場に立って考える」を英語では,

「put yourself in ~’s shoes」

と表現することがあるそうです。つまり,

「Put yourself in his/her shoes.」

は,「相手の立場になって考えてみなさい」になるそうです。

「~のshoes(靴)に入る」と表現するところが面白いです。

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