わかりやすく説明する(先行オーガナイザーの考え方を使う:パートⅡ)

今回のブログは,「わかりやすく説明する」をテーマとしたブログの第4回です。

前回のブログ,「わかりやすく説明する(先行オーガナイザーの考え方を使うパートⅠ)」では,以下のことを書きました(こちら

*先行オーガナイザーとは,学習する前にあらかじめ提示する枠組みのことである。
*本に書かれている「はじめに」や「目次」は先行オーガナイザーのようなものと考えることができる。

前回のブログは,以下の文で終わりました。

では,「先行オーガナイザーの考え方を取り入れて説明する」とはどのようなことなのか・・・?

ここからが,今回のブログの内容です。

「先行オーガナイザーの考え方を取り入れて説明する」とは,説明する内容の説明項目を事前に聞き手に話す(伝える)ことです。

例えば,業務の成果を説明する場合,以下のような内容を説明する前に聞き手に話します。

“業務の成果として説明する項目は,「業務の目的,業務実施の方針,現場状況,検討方法と検討条件,検討結果(結論)および今後の課題」です”

別途これらを書いた用紙を聞き手に渡したうえでこれらを説明してもかまいません。

説明項目を事前に聞くことでこの説明項目が先行オーガナイザー(枠組み)となり,聞き手は,これから聞く内容について「このような説明項目(説明の流れ)なのか」と理解します。

前回のブログで,以下のことを書きました。


頭の中にある「この本で著者が読者に伝えたかったことはこのようなことで,このような構成(内容の流れ)の本だ」という枠組みに沿って本を読むことから,読者は本の内容が理解しやすくなります。


業務の成果を説明するときもこれと同じです。頭の中にある「このような説明項目(説明の流れ)なのか」という枠組みに沿って説明を聞くことから,聞き手は業務の成果が理解しやすくなります。

「事前に説明する説明項目=本の目次」と考えるとこれがわかると思います。

ここまで,4回にわたり“わかりやすく説明すること”に関して解説しました。以下の2パターンの説明方法を比較してください。

■パターンⅠ:枠組みの提示無・説明時間の宣言無・説明に強弱(メリハリ)無
・・・・では,これから要約版に基づき業務の成果を説明します。・・・・

■パターンⅡ:枠組みの提示有・説明時間の宣言有・説明に強弱(メリハリ)有
・・・・では,これから要約版に基づき業務の成果を説明します。業務の成果として説明する項目は,「○,△,□および×」です。説明の時間は約15分です。・・・・

どちらの説明方法が理解しやすいか?・・・この答えを書く必要もないと思います。

何かを説明する場合には以下のことを認識してください。

*自分が聞き手になったことを考えて「どのように説明したらいいか」と考えること
*わかりやすく説明するとは,聞き手が理解しやすいように説明すること

【わかりやすい文書の書き方との関係】

4回にわたり“わかりやすく説明すること”について解説しました。その中で,以下の内容はわかりやすい文書(読み手に内容が明確に伝わる文書)を書くことにも当てはまる内容です。

*強弱(メリハリ)を付けて文書を書くこと
*先行オーガナイザーの考え方を使って文書を書くこと

文書を書くとき,どのようにこれらを応用したらよいか,ちょっと考えてください。

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