「理科系の作文技術」との出合い

「指導に至るまで」の中でも書きましたが,「わかりやすい文書の書き方」の指導のスタートは,「理科系の作文技術:木下是雄著(中央公論新社)」との出合いです。

 

「理科系の作文技術」を購入したのは,昭和56年(1981年)でした。今から35年前です。まだ,学生でした。研究室の先生から推薦されて購入しました。購入後すぐに読んでみましたが,正直なところ,そのときの感想は,「文や文章はこのように書くのか」という程度のものでした。

 

「理科系の作文技術」のすばらしさがわかったのは,それから22年が経過した平成15年(2003年)です。大学卒業後に入社した会社を退職し,個人事務所を経て今の会社を立ち上げたときです。

 

22年前に購入した「理科系の作文技術」を再び読んだところ,学生時代に読んだときにはわからなかったこの本のすばらしさがよくわかりました。

 

「文章の組立て」「パラグラフ」「文の構造と文章の流れ」,「はっきり言い切る姿勢」「事実と意見」「わかりやすく簡潔な表現」・・・読み進めるたびに「なるほど」,「なるほど」とうなずきました。

 

これは,学生時代に比べて,文書を書くことが増えたからだと思います。すなわち,自分がこれまでに書いた業務報告書や技術論文などでの文や文章の書き方を思い出しながら読むことで,自分の書いた文や文章の欠点がわかったからだと思います。

 

その後の経緯は,「指導に至るまで(こちら)」で書いた通りです。

 

「理科系の作文技術」と出合っていなかったら,「わかりやすい文書の書き方」の指導を始めていなかったかもしれません。

 

私にとって,「理科系の作文技術」は,「人生を変えた一冊の本」と言っても過言ではありません。

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