今回は,「ちょっとした気配り」について書きます。
会社の近くにとんかつ専門店があります。
そこでは弁当も販売しているので,昼食の弁当をときどきその店に買いに行きます。この店ではポイントカードを発行しており,税込300円でスタンプを1個押してくれます。そのスタンプが22個たまるとこのカードが500円の割引券として利用できます。多くの店で行っているポイントサービスです。
私のポイントカードの期限は6月末でした。
6月中旬の時点でのスタンプの数は14個だったので22個までまだ8個あります。8個のスタンプを押してもらうには4回~5回弁当を買いに行く必要があります。しかし,6月の中旬の時点から6月末までに4回~5回弁当を買いに行くことはないので14個は無駄になったなと思っていました。500円の割引券をもらうために一週間に2回程度その店の弁当を買うことはありません。
6月中旬のある日にその店に弁当を買いに行きました。
期限切れになることはわかっていましたがポイントカードを出しました。すると,そのカードを見た女性の店員の方が,新しいポイントカードを出しスタンプをどんどん押し始めました。
「エッ? なんだろう」と見ていました。
押し終るとその日に買った弁当の分の2個のスタンプも押したうえで,「お客様のカードは6月末が期限です。そのため期限を12月末まで延長しておきました」と言って新しいポイントカードを渡してくれました。思わず,「延長ありがとうございました」とお礼を言いました。
「12月末まで延長してくれたので残りの6個のスタンプも押してもらえる(ポイントカードが500円の割引券として使える)」ということより,この店員の方の「ちょっとした気配り」がうれしかったです。
この店員の方と時々店で会うので私を常連さんと考えてこのような対応をしてくださったのか,あるいは,期限切れ間近のポイントカードを持参してきたお客様に対しては必ずこのような対応を取るのかわかりません。理由はどうあれ,期間を延長してくれるという「ちょっとした気配り」がうれしかったです。
「お客様のことを考える(こちら)」のブログの中で,「『読み手の立場に立って文書を書くこと』とは,『お客様のことを考えて文書を書くこと』と言い換えられる場合もあります」と書きました。
「お客様のことを考えて文書を書くこと」とは,「『ちょっとした気配り』によって文書を書くこと」とも言い換えられると思います。
例えば,報告書を書く場合を考えます。
設計基準書などの内容を引用したときには,その設計基準書名(出典名)を書きます。このとき,出典名だけではなく引用したページも書けば読み手(お客様)は引用内容の確認が楽です。ページが書いてないとそれを探すのが大変なこともあります。出典名だけではなく引用ページまで書くのは読み手(お客様)に対する「ちょっとした気配り」です。
わかりやすい文書とは,読み手に対する書き手の「ちょっとした気配り」が詰まった文書だと思います。
そういえば,今から30年以上前,「気くばりのすすめ:鈴木健二著」という本がベストセラーになりましたが・・・・・