これまでに読んだ本から(24冊目):【じょうずな勉強法】

今回は,「じょうずな勉強法」を紹介します。

 「じょうずな勉強法:麻柄啓一:心理学ジュニアライブラリ(北大路書房)」

著者の麻柄氏は心理学者です。

前回に引き続き,今回の本も心理学の考え方に基づく勉強法に関する内容です。中学生と高校生を対象にしています。

この本の中で「理解すると忘れない」という項目の内容が印象に残りました。以下のような内容です。

オームの法則というのがあります。電圧,電流,抵抗の関係を表したものです。中学校で学んだと思います。公式で書くと以下のようになります。

E(電圧)=I(電流)×R(抵抗)

すなわち,電流に抵抗をかけると電圧になります。・・・と言われても「電流に抵抗をかける」などイメージできません。そこで,この公式を以下のように変形します。

I(電流)=E(電圧)/R(抵抗)

この公式は分数の形になっています。

分数について,「分子が大きいほどその分数の値は大きいし,逆に,分母が大きいほどその分数の値は小さい」という知識を私たちはもっています。

この分数の考え方を取り入れてオームの法則を考えてみます。

電流を大きくする場合には,分子の電圧を大きくすればよいことがわかります。あるいは,分母の抵抗を小さくしてもよいです。電流を小さくする場合にはこの逆です。すなわち,「分子の電圧を小さくする」あるいは「分母の抵抗を大きくする」です。

例えば,1.5Vの乾電池1個で豆電球をつけたのでは明るさが不十分な場合には乾電池を1個追加すればよいです。

I(電流)=E(電圧)/R(抵抗)

この公式で考えれば,この公式でEが大きくなることで分子が大きくなります。その結果回路の中をたくさんの電流(電子の流れ)が流れることで豆電球が明るくなります。逆に,乾電池1個で豆電球を2個(直列)にすると豆電球が暗くなります。豆電球を2個にしたことから抵抗が大きくなります。その結果,この式でR(抵抗)が大きくなったため分母が大きくなり電流の流れが小さくなります。

著者は,この本の中で,以下のようなことを書いています。


「E(電圧)=I(電流)×R(抵抗)」という式を丸暗記するだけではこの式を忘れることがある。「Iっで何だっけ?」,「Eっで何だっけ?」ということになるかもしれない。しかし,オームの法則(I=E/R)と私たちが持っている「分数の知識」とを結びつけて勉強すると「なるほどなあ」とオームの法則を理解できるし,オームの法則をなかなか忘れない。


これに関して著者は以下のことを書いています。

覚えようとすることをすでに知っている他の知識と結びつけると覚えやすい。

確かに,「オームの法則:E=I×R」を丸暗記するのではなく,「I=E/R」と変形し,これと自分が持っている分数の知識とを結びつけて考えることでオームの法則が覚えやすくなります。

この「覚えようとすることをすでに知っている他の知識と結びつけると覚えやすい」という考え方は,わかりやすい文書を書く場合にも参考になる考え方です。

次回のブログでは,この理由について書きます。

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