今日本は大変な状況になっています。首都圏だけではなく全国で新型コロナウイルス感染症の患者が急増していること,西日本を中心に記録的な大雨になっていることです。
特に,東京での新型コロナウイルス感染症の患者の急増はもう災害レベルだと感染症の専門家の方などが言っています。医療崩壊が発生している地域もあるようです。これが全国にも広がる危険性があります。
「感染症の患者の急増はもう災害レベルだ。大変な事態になっている」というニュースを見たり聴いたりしても国民にあまりその危機感が伝わっていないように思います。これは,政府関係者や専門家の言葉あるいはニュースの伝え方などに問題があるからだと思います。
今西日本を中心に大雨となっていますが,河川の氾濫や決壊で道路や畑が冠水したり住宅が浸水している映像を見たり土砂崩れで住宅が崩壊している映像を見たりすると「大変なことになっている」と思います。同じようなことが自分が住んでいるところでも発生する可能性があることがわかれば緊張感を持つと思います。「自分の命や家族の命,家が危ない」という危機感を持ち命や財産を守る行動をとると思います。
「首都圏で爆発的感染拡大が進行しています。ステイホームしてください。お盆は帰省しないでください。都道府県をまたぐ旅行や,移動の原則中止か延期してほしい」と言われても危機感が伝わってきません。
先日,テレビのニュースで,鎌倉に遊びに来ていた20代の男性のインタビューを流していました。その男性の言葉から「首都圏のコロナ患者が急増している。医療崩壊が起きている。大変なことになっている」という危機感は全く感じられませんでした。「首都圏のコロナ患者の急増は対岸の火事」という感覚でした。このような人が多いのかもしれません。ニュースを見ていないのか,ニュースを見ていても正常性バイアスが働いているのか・・・。
各局で,渋谷スクランブル交差点での映像を背景に,新型コロナウイルス感染症の患者が急増しているニュースを伝えることが多いです。ほとんどの場合人出が多いときの映像です。この映像を見てどう思うでしょうか。「都内で爆発的感染拡大が進行しているのに人出が多いな。あのような所には絶対に行かない」と思う人が多いと思います。しかし,「都内で爆発的な感染拡大が進行しているのに人出が多いな。不要不急の外出をしないでくださいと言っているが外出している人も多いな。明日,渋谷に行っちゃおう」と思う人もいると思います。映像の出し方を考える必要あると思います。
昨年の春アメリカのニューヨークで感染が拡大したとき,セントラルパークに仮設病院が建設されました。中国でも仮設の病院が建設されたと思います。これらのニュースをテレビで見たとき「ニューヨークや中国では大変ことになっているな。日本もこのようになったら大変だ」と思いました。
不安を煽るようなことは絶対にしてはいけませんが,「このままでは自分の命や家族の命が危ない。コロナに今感染して重症になっても入院できない。ケガや病気をしても医者に診てもらえない。人と接する機会を極力少なくしよう」いう危機感を持つことができるような情報発信をしないと全国に広がりつつある爆発的感染拡大の進行はまず止められないと思います。