人に説明すること

「内容が“明確に”伝わる技術文書の書き方」のセミナーなどでは,「理解したつもり」と「理解した」という内容を解説しています。

理解したつもりとは,自分は理解したつもりでも実際は理解していなかったことです。「理解したつもり」と「理解した」を区別する方法の1つ「内容を人に説明できるかどうか」ということがあります。

技術士第二次試験で建設部門を受験したときの口頭試験でのことです。

過去の業務に関する質問のとき以下のようなやり取りがありました。

「××について〇〇のように判断していますがこのように判断した根拠を説明してください」

「はい,△△だからです」

「なぜ,△△と判断できるのですか」

「はい,□□だからです」

「□□の他に◇◇のような考え方もありますが,なぜ,◇◇のようなことを考えなかったのですか」

「◇◇は▽▽のような条件で成立すると判断します。今回の検討では,▽▽が不成立です。条件が××点で異なるためです。そのため,□□と判断しました」

「わかりました。結構です」

25年以上前のことなので詳しい内容は忘れましたが,過去の業務に関する1つの質問に対して何度も掘り下げた質問を受けたのは明確に覚えています。

この質問内容に関して「理解したつもり」だったら途中で回答が出てこなかったと思います。

理解したつもりの反対の「理解している」とは,掘り下げて質問されても明確に回答できることです。これを言い換えるならば,「本質を理解していること」です。

本質を理解することについては,2016年3月9日にジェイタプコブログで掲載した「本質を理解する(パートⅠ)」にも書きましたのでご覧ください(こちら)。

内容が明確に伝わる技術文書を書くとき心掛けていることが2点あります。

①書き手と読み手の違いを認識する。
②人に説明できるか確認する。

①はジェイタプコブログでも何度も取り上げているのでここではこの説明を省略します。

②も内容が明確に伝わる技術文書を書くときに重要な内容です。技術文書を書いたとき,例えば,業務報告書,会議や打ち合わせの資料,提案書,メールなどを書いたとき,仮想の読み手を考えて,この読み手に自分が書いた技術文書を説明することを考えると説明につまる内容が出てくることがあります。

つまり,これは,まだ,理解したつもりのことがあるという証拠です。すべてを説明できることで内容が明確に伝わる技術文書を書くことができます。

書き手が説明できないレベルで書いた技術文書を読んで読み手が「わかった!」という判断を下すことはありません。

人に説明できるか確認することは,内容が明確に伝わる技術文書を書くうえでの必要条件です。

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