これまでに読んだ本から(29冊目):【「考える力」の鍛え方】

今回は,「『考える力』の鍛え方」を紹介します。

 ◆「『考える力』の鍛え方:上田正仁:ブックマン社」

この本のキーワードは,・・・問題を見つける力解く力諦めない人間力・・・です。

今回,この本を紹介したのは,この本の中に,「『分かってるつもり』と『知ってるつもり』は落とし穴」という見出しがあったからです。

 

「1+1」はいくつですか?・・・と聞かれたらどのように答えますか?

この質問を受けた全員の方が「2」と答えると思います。「分かりきったことだ」と思うでしょう。

「『分かってるつもり』と『知ってるつもり』は落とし穴」という見出しの中に書いてあることで「なるほど!」と思う内容がありました。以下のような内容です。

 

ある低学年の小学生に「1+1はいくつですか?」と質問したところ,「1+1は1+1だよ」と答えたそうです。

「なぜそう思うの?」と聞くと,次のように答えたそうです。

「バナナ1本とリンゴ1個を足しても,バナナとリンゴのままだから」

この子は果物店のお子さんだったそうです。

この回答について上田氏は以下のように書いています。


・・・・1+1が2になるのは,ある限定された条件のときだけです。たとえば,リンゴとリンゴのように同じ種類のものを並べた場合だけ,もしくは果物というカテゴリーで数えるという条件をつけた場合にのみ,2と言えるのです。異なった種類のものを並べてもどちらかが2倍になるわけではありません。ですから,「バナナ1本とリンゴ1個」ならば1+1は1+1が正解なのです。

・・・・略・・・・

つまり,ほとんどの小学生(あるいは教師も含めて)は1+1は2だと「知っている」のですが,なぜそうなのか,どんな場合にそうでなくなるのかを「分かっている」わけではないのです。この違いを認識することこそが,状況に応じて物事を判断するということなのです。

しかし,それを2だと「知ってしまう」と,それ以降は1+1を深く考えることはしなくなります。これは子どもだけではなく,大人にも言えることでしょう。ここに,思考の落とし穴があります。 


 

2016年3月11日に掲載したブログのテーマは,「本質を理解すること(パートⅢ)」でした(こちら)。

このブログの中で,「理解した技術」「理解したつもりの技術」について書きました。

このブログを読んでいただければ,「理解した技術」と「理解したつもりの技術」がわかると思いますが,これらは,「『分かってるつもり』と『知ってるつもり』」と共通した考え方です。

では,「分かってるつもり」・「知ってるつもり」・「理解したつもりの技術」を根絶する方法は何でしょうか?

それは,“なぜだろう?”と常に自問することです!

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