読み手の立場で考える(「自分が読み手だったら・・・」と考える)

わかりやすい文書の書き方の3原則での第1原則は,「書き手と読み手の違いを認識する」です。

すなわち,わかりやすい文書を書くうえで重要なことの1つは,読み手の立場に立って文書を書くことです。これは,自分が読み手だったら・・・」と考えて文書を書くことです。

このことは,JTAPCOブログの中で何度も書いています。

先月,業務報告書を作成しました。今年(平成30年)の9月末ごろ日本に上陸した台風24号に伴い発生した災害の対策業務です。大雨と強風によってある県の道路の路肩が崩壊しました。その復旧対策の検討です。

仕事の依頼者と仕事を分担しましたが業務報告書は弊社が作成しました。

災害が発生した日に災害発生場所近傍で観測された気象データ(以下参照)が提示され,「この気象データを業務報告書に書いてください」との指示が仕事の依頼者からありました。今回の災害は台風24号による大雨と強風が原因のため,災害発生の誘因を業務報告書に書くためです。

1.観測所名:○○
2.24時間最大雨量:9月30日1時~10月1日1時 143mm
3.時間最大雨量:9月30日21時~22時 38mm
4.瞬間風速:(○○市)12.4m/s
5.最大瞬間風速(○○市):27.6m/s

この気象データ(数値)を見て,「この雨量とこの強風ではこのような災害が発生して当然だ」と判断できる人は少ないと思います。

気象データに詳しい人や,このような気象データのときに発生した災害を経験したことがある人以外の人は,この気象データ(数値)の持つ意味がわからないと思います。

私も,この気象データ(数値)の持つ意味がわかりませんでした。

「自分が読み手だったら・・・」という視点で考えると,「この気象データをこのまま業務報告書に書いたら,読み手もこの気象データ(数値)の持つ意味がわからない可能性がある」とわかります。

逆に言えば,この気象データ(数値)の持つ意味を明確にすれば,「なるぼど,この雨量とこの強風ではこのような災害が発生するな。やはり,大雨と強風が災害の原因だ」と読み手も判断できます。

そこで,「6つのルールと17の書き方(こちら)」での“書き方11:図や写真を入れて書く”を使ってこの気象データを書くことにしました。

具体的には,気象庁のウェブサイトから以下のような資料(図)をダウンロードして,気象データとともにこの図を業務報告書に添付しました。

*業務報告書の中では,提示された気象データ(時間最大雨量:38mm,最大瞬間風速:27.6m/s)が表の中でどのランク(範囲)に入るのかがわかるようにしました。

このような資料(図)を業務報告書に添付することで,「今回のこのような災害は台風24号による大雨と強風が原因であること」が明確にわかります。

仕事の依頼者もこの書き方を見て「わかりやすいです」話されていました。

「自分が読み手だったら・・・」という視点で考え,「この書き方(この内容)では内容が明確に伝わらないだろう」と判断することが,わかりやすい文書を書くことにつながります。

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