受験生のことを考えて添削する

約1か月前に,技術士第二次試験の筆記試験が終わりました。受験生の中には添削指導を受けていた方も多いと思います。

先日,技術士第二次試験で建設部門を受験したときに受講していた通信添削講座(A社とします)での添削結果が出てきました。この年に合格できた要因の一つは,A社の添削指導を受けたことです。

受験した当時は,経験論文建設一般選択科目の3パターンの試験項目でした。すべての試験項目に対して添削指導を受けましたが,最も参考になったのが経験論文に対する添削でした。経験論文とは,過去に自分が担当した業務を2つ選びそれらの内容をまとめる試験です。

A社の添削では1つの試験項目について2回添削を受けることができます。1回目に提出した経験論文は真っ赤になって戻ってきました。所見欄にも修正の指示(修正内容)が多数書いてありました。

添削結果で参考になったのは修正の指示が具体的だったことです。また,修正の考え方(修正の方針)が明確に書いてあったことです。例えば,

近接施工での防護対策について,概要はわかるが,具体的記述に欠ける。
*この指摘では,修正すべき内容(具体的記述に欠ける内容)が10項目書いてあったのですぐに修正できました。「近接施工での防護対策について,概要はわかるが,具体的記述に欠けるので修正しなさい」という指摘では具体的な修正箇所がわかりません。修正してもまた同じ指摘を受ける可能性もあります。

「現時点での評価・反省」では,「・・・可能と判断できる」は設計当時の結論である。今日現在の評価は,その後の経験,技術情報,技術開発などからみてどうなるかを述べることを期待されている。

のような添削結果(添削内容)です。修正の指示を読むとすべて「なるほど!」と思う内容でした。具体的な修正の指示があり,また,修正の考え方(修正の方針)が示してあったので修正がしやすかったです。私の担当だった方は,受験生のことを考えた添削をしてくれました。

余談ですが,「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」に関する通信教育講座では演習問題を解いていただきます。その添削では,受講生のことを考えた添削をするように心掛けています。

「受験生のことを考えて添削する」ということは,「読み手のことを考えて技術文書を書く」ということと同じ考え方です。

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