文書は書けるが,わかりやすい文書が書けない

「森谷さん・・・IT分野の技術者の中で,文書が書けない技術者は多いですよ」

これは,先月,IT分野の会社で以前仕事をされていた方とお会いしたとき,その方が私に話されたことです。

また,コンペティションで技術提案書を提出する場合,この技術提案書の作成を外注することもあると話されていました。文書を書くことが苦手だからだそうです。

会社員時代,技術提案書を何度か書いたことがあります。私がいた土木の分野では,技術提案を考える担当者(あるいはグループ)が技術提案書を書きました。

土木の分野とIT分野は業界が違うので,技術提案書の書き方を土木の分野にいた人間の視点から述べることはできません。しかし,「外注先が技術提案書を書けるのだろうか?」という疑問を持ちます。

技術提案の内容に関する様々なことが頭の中に入っている担当者(あるいはグループ)だけが,技術提案書を書くことができると自分の経験から思っていたからです。

私たちの生活は,IT技術がなければ成立しないと思います。

例えば,銀行のATMのシステムを構築しているのはIT分野の技術者の方々だと思います。このシステムがあるので,日々,我々は現金の出し入れが簡単にできます。

IT分野の技術者の方々は私たちの生活を支える技術を開発しますが,文書を書くことが苦手な方も多いそうです。

外部の会社が企画するセミナーで講師を務めることがあります。セミナーのテーマは「わかりやすい文書の書き方」です。

セミナーに出席された方に,「なぜ,このセミナーに出席されたのですか?」とお聞きすると,「『君の書く文書はわかりにくいので,セミナーに出席して勉強してこい』と上司から言われたと答える方が以外と多いです。

製造分野の技術開発部門に所属されている方は,「自分ではわかると思って書いているが,上司から『わかりにくい文書だ』と言われます」と話されていました。

IT分野の技術者の方々も,これと同じなのかもしれません。すなわち,文書は書けるが,わかりやすい文書(読み手に内容が明確に伝わる文書)が書けないのかもしれません。

技術の成果を読み手(例えば,顧客)にわかりやすく伝えることも技術者の重要な仕事です。

「専門分野の技術+わかりやすい文書が書ける技術」を持った技術者が真の技術者だと思います。

これは,IT分野の技術者の方々に限ったことではなく,あらゆる分野の技術者の方々に共通なことです。

宣伝になりますが,「文書は書けるが,わかりやすい文書(読み手に内容が明確に伝わる文書)が書けない」と悩んでいる技術者の方は,拙著:「技術者のためのわかりやすい文書の書き方」を読んでみてください(こちら)。

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