これまでに読んだ本から(25冊目):【読む心・書く心】

今回は,「読む心・書く心」を紹介します。 

「読む心・書く心:秋田喜代美:心理学ジュニアライブラリ(北大路書房)」

著者の秋田氏は心理学者です。「文章の心理学入門」というサブタイトルがついています。

この本は,「心理学ジュニアライブラリ」の中の1冊です。「これまでに読んだ本から(24冊目):【じょうずな勉強法】」こちら)もこのシリーズの中の1冊です。

「これまでに読んだ本」からの23冊目(こちら)と24冊目(こちら)に引き続き今回の本も心理学に基づく内容です。23冊目と24冊名と同様にこの本も中学生と高校生を対象にしています。

この本では,「読むこととは何か」,「書くこととは何か」ということを掘り下げてわかりやすく説明しています。

この本の中で,「1章 読むことはつなぐこと」の中の「6.読むことのコツ」の中で以下のような課題(確認項目)があります。

ある内容について勉強するために文章を読むときに,次のような行動をどれぐらい行っているかをふり返るための確認項目です。大人にも参考になる内容(確認項目)なのでその一部を紹介します。

本の中では確認項目が28項目ありますが,ここではその中から12項目を紹介します。なお,本の中では,確認事項に対して,どれくらいの頻度で行っているかについて3段階で評定します。

「3:よくやる,2:やることがある,1:やらない」です。

各文を読み,自分がどの段階にあるのかを考えてください(1 or 2 or 3)。

①わかりにくい文は主語や述語など,要素に分解する。

②読んでいるときに,気づいたことをテキストに書き込む。

③読んでいるときに内容に関係することをできるだけ多く思い出す。

④書かれている内容について具体的な例を考える。

⑤話題のつながり方(逆説・並列など)に気をつける。

⑥今読んでいるところと,全体との関係を考えながら読む。

⑦文章をいくつかの部分にわけて,それぞれに小見出しをつける。

⑧読んだ後に頭の中で要点をまとめる。

⑨読んだ内容の中で疑問に思ったことについて考える。

⑩むずかしい言葉を自分の言葉に置き換える。

⑪読んでいることと,自分がすでに知っていることを関係づける。

⑫新しい内容について読んだとき,それがどんなところで使えるかを考える。

これら確認事項は,取り込んだ情報を理解するために何をしているかをたずねています。

(1)①~④は,単語や節,文のレベルでどんなことをしているかをたずねています。

(2)⑤~⑧は,段落や文章全体の内容を理解するためにしていることをたずねています。

(3)⑨~⑫は,文章から得られた情報を自分がすでに持っている知識とどのように結びつけ,理解したり学ぼうとしているかをたずねています。

これらは,「文章を読むのに熟達した人」「よく読める人が読みながらやっていること」が多いといわれることをリストにして整理した研究の一部だそうです。

これらの確認事項を頭の中に入れて専門書などを読むことで,読みが深くなり“内容を理解したつもり”が“内容を理解した”になると思います。特に,確認事項の⑥~⑨は,“読んだ内容を理解した”にするうえで参考になります。

“内容を理解したつもり”ではなく“内容を理解した”でわかりやすい文書を書くことができます。

わかりやすい文書を書くため,12項目の確認事項に対して“やらない”という評定結果が多かったら「よくやる」に変えみたらどうでしょうか・・・。

test

この記事を読んだ方は、こちらも閲覧しています。

にほんブログ村 資格ブログ 工業・技術系資格へ にほんブログ村 資格ブログ 国家試験へ にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

ジェイタプコ代表・森谷仁の著書
マンガでわかる 技術文書の書き方:「伝わる」から「明確に伝わる」へ オーム社
2,640円 Amazonで購入する
技術文書の書き方として,「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の技術」をマンガで解説した内容です。
「技術者のためのわかりやすい文書の書き方」オーム社
2,200円 Amazonで購入する
事例を示しながら17の書き方の使い方を解説しました。
「技術士第二次試験 建設部門 答案作成のテクニック 5つの手順で書いてみよう」オーム社
2,420円 Amazonで購入する
答案の書き方を学びたいと考えている受験生の必読書です。​
「技術士第二次試験 建設部門 完全突破」オーム社 水村俊幸共著
2,860円 Amazonで購入する
技術論文の書き方を、基本編と実践編に分けてわかりやすく解説しました。
企画&提案する技術士事務所 有限会社ジェイタプコ

ジェイタプコは「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」をお伝えする会社です。

あらゆる分野・職種の技術者の方々に、研修やセミナーを通して「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」をお伝えします。

トップへ戻る